2012年7月2日月曜日

崎田裕子 リオ+20の報告

2012年6月20日(水曜日)~22日(金曜日)までの3日間,リオデジャネイロ(ブラジル)において,「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」が開催されました。環境ビジネスウィメン代表理事の崎田裕子が 、リオ+20国内準備委員会の共同議長として、出席してきました。  


 

 『世界のグリーン化』に『リオ+20』を活かす


               崎田裕子
「リオ+20国内準備委員会」共同議長
一般社団法人環境ビジネスウィメン代表理事


ブラジル・リオデジャネイロに、世界175か国の首脳と、政府・企業・NGOなど約5万人が集まり、国連の地球サミット「リオ+20」が開催されました。

1992年リオ、2002年南アフリカ・ヨハネスブルグを経て、今後10年の持続可能な開発の方向性を話し合うため、620日から22日の本会議を含め、約10日間、政府間交渉だけでなく多様なサイドイベント、各国政府テントでの展示・セミナー、NGO会場での交流などが熱く実施されたのです。



 成果文書に対して事前に広く意見を募ったのも特徴で、昨年1031日の期限までに各国政府や、各国の9つのメージャーグループ(女性、若者、先住民、自治体、NGO、労働者、科学技術、企業産業、農林漁業者)から、677もの提案文書が国連に提出されました。





 ボトムアップ型の政策形成が活力ある地球社会づくりに欠かせないことを、如実に物語っていますが、日本でもメージャーグループが連携して提言を創ろうとマルチステークホルダー対話の場「国内準備委員会」を昨年7月に設立。

 私は、小宮山宏氏(元東京大学総長・三菱総合研究所理事長)と共に共同議長を務め、“東日本大震災を踏まえて持続可能な回復力のある地域づくりの重要性、自然共生、技術による貢献、文化を重視し相手国への敬意を払うこと”などを踏まえた提言をまとめ、リオではセミナーを開催して提言を発信し、日本政府代表団顧問として政府間交渉の現場にも立ち会ってきました。

 
 交渉内容としては、国連から「グリーン経済」と「制度的枠組み」を中心テーマにすると表明されており、特にグリーン経済に関してEUからは成果目標の設置が提案されましたが、途上国はまだまだ開発を優先したい国が多くグリーン経済などはまったく論外、という不満が表明され、信頼関係構築の道のりの遠さを痛感しました。




 報道も、グリーン経済実現に向けた成果が乏しいと厳しい内容がほとんどですが、思えば、日本でも環境配慮はがまんとコスト負担を強いるものと長く考えられてきました。2000年代に入り、「環境と経済の好循環」する社会をつくろうという機運を起し、その流れの中で、環境ビジネスウィメンも2004年に環境大臣懇談会として誕生しました。そして、近年になりようやく社会にも浸透してきたという歴史があります。

今回の「リオ+20」を小さいけれど大きな一歩と考え、これからの10年で「環境と経済の好循環」を世界で育ててゆくという確信が芽生えてきました。

 日本からは、グリーン経済の具体像として「環境未来都市づくり」や「生物多様性を確保し、自然と共生する地域」の重要性などを提案し、その内容が成果文書にも入りました。大きなきっかけとして、日本が世界の持続可能な都市や地域づくりに取り組み、多くの途上国との信頼関係を構築してゆく。今回のリオ+20の成果を今後に活かすために、この思いを広く伝えることが参加した者の役割であり、私自身も世界のグリーン化に向けて取り組んでゆこうと心新たにしています。2012624日、帰国の機中にて。


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